浄土宗の仏具飾り方
浄土宗のあなたへ、仏具の飾り方を紹介します。
まずは宗派の基本からおさらいです。
本尊は、
阿弥陀如来です。
脇侍は、
向かって左が法然上人。右が善導大師です。
超かんたんな宗派紹介
平安時代の末期、飢饉などで世の中が乱れていました。そんな中、法然上人は「念仏さえ唱えれば、みんな極楽へ行けますよー」と、いう教えを民衆に説きました。
今回の使用仏壇
家具調仏壇「フォルテ18号」
外寸法
高さ54cm
幅44cm
奥行き33cm
内寸法
高さ39cm、幅39cm
上段の奥行き最大11cm
中段の奥行き最大9㎝
下段の奥行き最大11㎝
膳引き奥行きは最大18cm
今回の飾り方コンセプト
「家具調仏壇を昔からある仏具で飾ってみた」
上段に飾る仏具の解説
仏具名称 | 寸法 | コメント |
本尊掛軸 | 30代 | 舟立弥陀 |
脇侍掛軸 | 20代 | 向かって左が法然、右が善導 |
湯呑み | 1.6寸 | 白 上金ハス 陶器製 |
茶台 | 2寸 | プラスチック製のタメ色 |
PC仏飯 | 11・12番用 | ゴムのような素材でできた食品サンプル |
仏器 | 中 | 白 上金ハス 陶器製 |
敷皿 | 小 | 仏器台の代わり。プラスチック製 |
上段に飾る仏具の詳細
本尊と脇侍は掛軸を使用しました。
今回は脇侍を一回り小さい20代にしています。
全て同じ大きさでも構いません。
この辺は好みの問題ですね。
本尊は舟立弥陀の絵像、向かって左は法然上人、右が善導大師の絵像です。
湯呑みはどこにでも売っている「白に金のハス柄」にしました。
仏器も同じ柄に統一してます。
茶台の色はタメ色です。
浄土宗は唐木仏壇のイメージがあるため、仏具もどちらかというと暗めの色合いにしました。
仏器はそれぞれの掛軸の前に置いています。
絵像の時はなるべく仏器を置くようにします。
茶台は本尊のみです。
「昔からそうなっているから」なのですが、正確な理由はわかりません。
仏飯はイミテーションを飾ってます。
できれば毎日炊き立てご飯をお供えしたいのですが、無理はせずできる範囲でお給仕しましょう。
仏器の下には本来、丸仏器台を付けたいのですが、背が高くなるのでやめました。
代わりに敷皿をひっくり返して台代わりにしています。
もし付けるとしたら、丸仏器台の「小」サイズでいいでしょう。
仏器は陶器を使っています。真鍮製より安価なのでコスパを考えました。
中段に飾る仏具の解説
仏具名称 | 寸法 | コメント |
高月 | 3寸 | 中京型タメ色 プラスチック製 |
中段に飾る仏具の詳細
この飾り方では中段に置く仏具は高月のみです。
3寸を使っているので、お饅頭1個くらいならお供えできます。
中京高月にしましたが、京型でも、東型でも、なんでもOKです。
色はそろえた方がいいと思い、タメ色にしています。
中段の中央が大きく開いているので、上段の仏器や湯呑みの取り出しがしやすいというメリットがあります。
下段にある位牌を高月の横に持ってきてもいいと思いました。
本尊を【木像にした時の上・中段の仏具】の紹介
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仏具名称 | 寸法 | コメント(変更点のみ記載) |
本尊木像 | 3.5寸 | 柘植の舟立弥陀 金泥書 八角台 飛天光背 |
仏器膳 | 5寸 | プラスチック製 タメ色 |
【本尊を木像にした時の変更点】の解説
本尊を【木像】にした時のパターンも並べてみました。
一番の特徴は、中段に仏器膳を置き、湯呑みと仏器をその上に配置したところです。
木像にしたことで、上段のスペースがなくなるので、湯呑みと仏器を下に降ろしました。
仏器膳を使うことで、脇侍には仏器はお供えしません。
本尊と共通のものという認識になります。
この並べ方のメリットは本尊を木像にでき、仏器膳を使うことで仏器を減らせます。
結果、日々のお勤めが少し楽になります。
下段・膳引きに飾る仏具の紹介
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仏具名称 | 寸法 | コメント |
位牌 | 3.5寸 | 春日 面粉 |
香炉 | 3寸 | 青磁の陶器製。ハス柄付き |
ロウソク立て | 4寸 | 青磁の陶器製 |
仏具敷 | 小 | 茶色。仏壇の傷防止 |
花立 | 3寸 | 青磁の陶器製。ハス柄付き |
敷皿 | 中 | 水防止 プラスチック製 |
過去帳 | 4寸 | 鳥の子過去帳 |
見台 | 3.5寸 | 押さえ付 |
線香差 | 中 | タメ塗 |
おりん | 2.5寸 | 広丸りん |
都布団 | 2号 | 安いので採用 |
りん棒 | 4.5寸 | 黒檀りん棒 綴巻 紫 |
りん棒台 | 2.5寸 | 雅りん棒台 タメ |
下段・膳引きに飾る仏具の詳細
位牌は基本右側に置きます。
数が増えたら左に置いたり、過去帳に書き写していきましょう。
上置き仏壇はたくさんの位牌を安置するようには作られていません。
大型仏壇を「一戸建て」と例えると、上置き仏壇は「ワンルームマンション」でしょうか。
三具足は陶器でまとめています。
青磁の色にしたのはよく使われている色だからです。
お好みで白にしたり、瑠璃色にしたりして、ご自身の仏壇に合わせてください。
撮影のため花立をロウソク立てのすぐ横に置きましたが、使い勝手がいいようにもっと左に置いてもいいです。
仏具敷と敷皿は汚れ防止です。
香炉には灰を入れて線香を立てましょう。
もう一回り小さくてもいいのですが、線香の燃えカス処理や、火の取り扱いを考え大きくしてます。
ちなみに浄土宗は線香を1本立てます。
線香差はここに置かなくてもいいですが、あれば便利なので置いておきました。
他にも便利な道具があり、線香、ライター、マッチ、ロウソクなどを入れられる小物入れがあります。
仏壇の横に置いておけば、物を無くすことが減るでしょう。
おりんと都布団のみになっていますが、丸りん台を付けるか悩みました。
付けると微妙に背が高いと思い、今回はナシにしてます。
今では「付けてもよかったかな~」と、思い直しています。
開き直って、りんセットにしてもいいと思います。
背も低いし、いい商品だと思います。
予算がある方はこちら↓はどうでしょう。いい音色がしますよ。
見台は、足のないタイプにしました。
上置き仏壇には足のないタイプのほうがバランスいいと思います。
足付きタイプは高さがある仏壇や、下台付の仏壇が似合います。
床に置いて使う仏具の紹介
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仏具名称 | 寸法 | コメント |
鉦吾 | 3.5寸 | |
六角畳 | 4寸 | |
一心支木 | 3・4打 | |
木魚 | 3.5寸 | 白木木魚 並彫 |
都布団 | 6号 | |
木バイ | 5号 | 藤バイ |
床に置いて使う仏具の詳細
浄土宗で使う木魚と鉦吾です。
木魚には、木地木魚がいいでしょう。
朱塗りもありますが、家具調仏壇には白木地が似合います。
ここでは並木魚にしてますが、私の個人的オススメは「白木木魚の上彫」です。
理由などは、こちらで詳しく述べています。
「木魚のオススメは何?」という方に参考にしていただければと思います。5種類の木魚を比較してみますご存じのように、木魚にも材質の違いから、彫りの違いまで色々な種類があります。その中から、現在も流通していて、手に入れやすいも[…]
木バイは、軽い藤バイを付けています。
鉦吾と六角畳は、選択肢も多くないので迷わないと思います。
六角畳はいろいろなメーカーが出してます。
本畳のようにすべて稲わらで作られているものは少ないです。
ただ、使用感は問題ありませんので、気にすることはないでしょう。