「木魚のオススメは何?」
という方に参考にしていただければと思います。
5種類の木魚を比較してみます
ご存じのように、木魚にも材質の違いから、彫りの違いまで色々な種類があります。
その中から、現在も流通していて、手に入れやすいものを5つ比較検討してみました。
「結局どれがいいの?」
という質問にもズバリお答えします。
まずは今回比較する5つの木魚を表にしてみました。
木魚の種類 | コメント |
白木並彫 | 木地木魚の普及品 |
白木上彫 | 並彫より見栄え良く、豪華になる(オススメ) |
本楠木魚(海外製) | 見た目が色白で木目もきれい |
桑木魚 | 材質が硬くて高音が出る |
朱塗木魚 | 朱塗りがいいならこの一択 |
【音】は比較対象にしていません。
木魚の音の良し悪しを比べるのは難しいからです。
今回は、【見た目】【価格】【手に入れやすさ】【産地】で比較しています。
ずばり、私のオススメは【白木上彫木魚】です。
理由は、当たりはずれが少ないからです。
白木木魚の材質は桂蘭(けいらん)という、東南アジアに自生している大木です。
大きな木ですから、場所によって木目が強く出ていたり、シミのように黒ずんている箇所もあるでしょう。
そこでちょっと想像していただきたいのですが、
白木木魚は並彫というのが一番安価で市場に出ています。
せっかく木を切ったのだから、多少の木地の痛みや汚れがあっても売ってしまいたいのが人情ですよね。
そんなちょっと難アリの木材は並彫用に回るでしょう。
逆に選りすぐったものは、上彫や龍彫などの方へ回ります。
つまり、木地の状態がいいものが上彫になるのです。
もちろん、お店へ足を運んで、一つずつ手に取って比べれば一番いいのですが、
ネットショッピングで購入を検討されている方もいると思います。
白木木魚の上彫は、箱を開けて中身を見たときに、
「木目が悪い~!」
「黒いシミがある~!」
「青カビ!?」
というリスクを減らせる木魚なのです。
下の写真は撮影のため、たまたま手にした白木並彫木魚です。
残念ながら、黒いシミなどが出ている木魚でした。
画像クリックで拡大
では、オススメの白木木魚上彫と他の木魚を、一つずつ比較検討していきます。
白木木魚【上彫】と【並彫】の比較
先ほども述べましたが、
一番安い白木の並彫木魚にした場合、木目の見た目が悪いことがあります。
並彫ということで多少のシミがあっても販売されているのが実情です。
木魚は裏表が対象なので、より綺麗な方を表にすればいいのですが、
どちらも「う~~~ん・・・」ということがあります。
返品交換すればいいと考えるかもしれませんが、別に不良品というわけでもありません。
音はちゃんと出るのですから。
このようなことから、白木並彫木魚は外しました。
【白木上彫木魚】と【本楠並彫木魚】の比較
※日本製の本楠木魚は価格が倍近く上がるので、今回は海外製の本楠木魚と比較します。
本楠木魚の並彫は、木地の色も白く、見た目が綺麗です。
しかも、海外製は白木上彫木魚と変わらない位の価格です。
ではなぜ、本楠並彫木魚ではダメなのか?
それは、海外製には【当たりハズレ】があるからです。
仏具問屋を10年以上経験して感じたことですが、
「海外製品は、開けてみるまで油断してはいけない」です。
一つ開けてきれいな木魚が入っていて安心していると、次に開けたものは木目がきつく、さっきと全然品質が違うものが出てきます。
天然の木材を使っているので仕方ない部分はありますが、ハズレくじは少ないに越したことはありません。
このような理由から、
いい木地を選別されている白木上彫木魚のほうがオススメできる、という結論になりました。
国産の本楠木魚なら、こんな心配をすることはないです。
木目、色ともきれいですね。
【白木上彫木魚】と【朱塗木魚】の比較
朱塗木魚は伝統型の仏壇には合いますが、
唐木仏壇、モダン仏壇にはアンバランスだと思います。
モダン仏壇でも塗り仕上げで、蒔絵が入っているような和モダンなら似合うでしょう。
しかし、仏壇本体が、明るいクルミ色や暗めのウォールナット色には厳しいと感じます。
つまり、朱塗木魚はオールマイティーに使えないのです。
以上の理由から選外となります。
【白木上彫木魚】と【桑木魚】の比較
桑木魚は、何と言っても値段が高いので、コスパを考え外しました。
仏壇がダーク系なら同色になり、統一感が生まれていいと思います。
ただ高い・・・・。
海外製の安いものがあればお買い得ではあると思います。
そして、輸入しただけのものより、音付けなどの処理を国内の職人がしているなら安心です。
まあ、そうすると海外製ではなく、国産として売られているかもしれません。
このように、5種類を比較検討した結果、
私のオススメは、【白木上彫木魚】になります。
木魚に予算があるのであれば、国産の木魚も検討してみるのもいいかと思います。
逆に、形さえあればいいと思われるなら、白木の並彫になります。
まとめ
鳴り物として、【おりん】もありますが、おりんと違い木魚は読経の時のみに使用する仏具です。
自ら読経をしないのに、高額の木魚を買う必要はないと考えています。
テープやCDでお経を流すのなら木魚は叩かないです。
木魚には、種類はもちろんサイズも多いです。
ご自身の仏壇に似合う木魚を探してみてください。
【補足】バイと丸布団のオススメは?
せっかくなので、木魚の撥(又はバイとも言う)のオススメも簡単に紹介します。
バイにはおおむね、
【硬い木の棒タイプ】と、【柄が藤のタイプ】があります。
【硬い木の棒タイプ】
白木木バイ、朱塗り木バイ、樫バイなどがあります。
耐久性がいいですが、長時間使用すると重くて疲れてきます。
【柄が藤のタイプ】
藤バイと言います。
軽くて、しなるので疲労が溜まりにくいです。
しかし、柄の部分が細いので、折れてしまうリスクが木の棒タイプより高いです。
以上のようなメリット・デメリットを踏まえ、私がオススメするのは、
【柄が藤のタイプ】つまり、藤バイです。
木魚を叩く年齢層を考え、誰にでも楽に扱うことができる、藤バイをオススメします。
下に敷く丸布団は一番お値打ちで、どこの販売店でも置いてある、「都布団」をオススメします。
色は好みで選んでください。
木魚のサイズによって、それぞれ大きさ、長さが変わるので、こちらのページを参考にしていただけるとうれしいです。
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