茶台とは、仏様とご先祖様に【飲み物】をお供えするための仏具です。
ごはん(仏飯器)と一緒に毎朝お供えするときに使います。
昔から日本人は、「ごはん」と「お茶」ですからね。
茶台の材質と色の種類
材質には、プラスチック製と木製があり、木製のほうが高額になります。
色には、朱、黒、溜、玉虫、虫喰などがあります。
モダン仏壇では茶台を使うことが少なく、オシャレな茶湯器(湯呑)だけを使うことが多いです。
この場合、大抵仏具〇点セットでの販売となっています。
お持ちの仏壇にはどれがいいか選んでみましょう。個性が出て楽しいですよ。
主にモダン仏壇に合わせた上記のような商品は、特に使い方に困ることもないので、ここでは昔からある仏具の「茶台」と「湯呑み」のセットの解説とさせていただきます。
茶台の使い方
茶台は、「下の台」と「フタ」のみの仏具ですので、別途【湯吞み】を用意して使います。
真っ白なものから、金箔が押されているものなど数多くの種類があるので、自由に選んでみましょう。
使い方ですが、まず湯呑みにお湯やお茶を入れ、ごはん(仏飯器)といっしょにお供えします。
仏飯器(仏器)についてはこちら↓で詳しく紹介しています。
朝食前、仏壇にご飯をお供えし、手を合わせるという経験をお持ちの方が年々少なくなっていると思います。実際私の実家にも仏壇がなかったので、そのような経験をせずに育ちました。 数年前に、「家に仏壇がある家庭の子は[…]
一般的には毎朝、自分たちの朝食の前に用意します。
お供えしたら手を合わせ、あいさつをしたり、「今日も一日見守ってください」などと、会話をしてみましょう。
お昼ごろには茶台と仏飯器を下げ、ご飯は捨てずに食べましょう。ecoですね。
お湯やお茶は冷めていると思います。
もちろん飲んでも構いませんが、こちらは捨てている方が多いようです。
茶台を置く場所は?
茶台は基本、本尊の前だけに置きます。
本尊に向かって左側に【茶台】を置きます。
右側は【ご飯(仏飯器)】になります。
本尊と同じ段に置くのが理想ですが、本尊が木像の場合、奥行きがなくて置けないことがあります。
そういったときは一段下に置いて構いません。
上の写真ではそうしています。
茶台と仏器台のバランスを表にしてみました
茶台を使う場合、その右側に置く「仏器と仏器台」も必然的に必要になると思います。
大きさがアンバランスでは見栄えが悪いです。
少し具体例を挙げてみたので、参考にしてください。
ここでは、茶台を基本としたサイズにして、仏器などを合わせることにしました。
茶台に【2寸】を使う時の、周辺仏具ベストサイズ表
湯呑みのサイズ
☆湯呑みの大きさは、「1.5寸」か「1.6寸」 |
仏器台のサイズ
◦丸仏器台を使うなら、「小」 |
◦6角仏器台を使うなら、「豆」か「小」 |
◦梅型仏器台を使うなら、「2寸」 |
仏器のサイズ
⋄陶器の仏器を使うなら、「小」 |
⋄銅器の仏器を使うなら、「12番」 |
茶台に【2.3寸】を使う時の、周辺仏具ベストサイズ表
湯呑みのサイズ
☆湯呑みの大きさは、「1.6寸」 |
仏器台のサイズ
◦丸仏器台を使うなら、「中」 |
◦6角仏器台を使うなら、「中」 |
◦梅型仏器台を使うなら、「2.3寸」 |
仏器のサイズ
⋄陶器の仏器を使うなら、「中」 |
⋄銅器の仏器を使うなら、「10番」 |
茶台に【2.5寸】を使う時の、周辺仏具ベストサイズ表
湯呑みのサイズ
☆湯呑みの大きさは、「1.8寸」 |
仏器台のサイズ
◦丸仏器台を使うなら、「大」 |
◦6角仏器台を使うなら、「大」 |
◦梅型仏器台を使うなら、「2.5寸」 |
仏器のサイズ
⋄陶器の仏器を使うなら、「大」 |
⋄銅器の仏器を使うなら、「8番」 |
茶台と茶湯器のちがい
【茶湯器】という、茶台と用途が一緒の商品もあります。
これは湯吞みも同じ材質、色で作られた3点セットになります。(下台・フタ・湯吞み)
見た目は統一感がありますが、実際使うとなると気をつけるべき点があります。
以下は、漆製茶湯器の湯呑みを洗う場合の注意点です。
漆塗りの場合
・沸騰したてのものなどを入れた場合、塗りが白く変色してしまうことがあります。
・食器洗い乾燥機で洗えない場合があります。
プラスチック製やカシュー塗り、合成漆ならここまで心配しなくていいです。
茶湯器は、毎日のように洗う「湯呑み」だけが悪くなることがあります。
しかし、茶湯器はセットでの販売が通常です。
なので、湯呑みだけを買い替えることができない場合があります。
その点、茶台は陶器の「湯呑み」のみを買い替えることが容易です。
茶台のサイズの選び方
茶台、茶湯器の大きさは下台の一番広いところの直径で測ります。
仏具ですので○寸と表記してあります。
2寸(6センチ)から4寸(12センチ)が一般的なサイズです。
置く予定の場所の寸法を測り、無理なく置ける茶台を選びましょう。
茶台と湯呑み(陶器)のバランスを一部紹介します。
参考にしてください。
上置き仏壇をご使用の場合は大抵、茶台の大きさが2寸から2.5寸になると思います。
【仏器膳】を使えば「茶台」と「仏器台」が不要に
仏器膳という仏具があります。
これは、湯呑みと仏器を並べて飾ることができます。
茶台を使わない宗派もあります
浄土真宗本願寺派(お西)や浄土真宗大谷派(お東)などの真宗系では茶台を使いません。
代わりに【華鋲】(けびょう)を使います。
華鋲とは
主原料に金属(真鍮、銅)を使っているものが多いです。
樒(しきみ)という葉を差して飾ります。
しかし、最近ではモダン仏壇の普及とともに宗派別で仏具を使い分けることが少なくなりました。
モダンな仏具のセットでは【華鋲】ではなく、【茶台】がセットに含まれている場合がほとんどなので、浄土真宗の方も知らずに茶台を使うケースが多いです。
仏具問屋としては残念なことですが、これも時代の流れですね。
まとめ
茶台は仏様やご先祖様にお湯やお茶をお供えするための仏具です。
プラスチック製と木製があり、木製のほうが高価になります。
色は様々あるので、仏壇に合わせて選びましょう。
大きすぎると仏壇の棚に載らないので、採寸はしておきましょう。
浄土真宗は基本、茶台を使いませんが厳密な決まり事ではなくなりつつあります。