打敷の購入を検討されている方に向け、
◎わかりやすく
◎読み終わるころには最適な打敷が決まっている
そんな記事になっています。
いきなりですが、こんな疑問をお持ちではないですか?
◎打敷ってそもそもなんで必要?
◎我が家にぴったりの打敷はどれだろう?
◎どんな種類があるのか知っておきたい。
これらを順にお話していきます。
難しい専門用語はなるべく使わず、解説していきますので宜しくお願いします。
最後まで読んでいただければ、必ずあなたに必要な打敷が見つかると思います。
そもそも打敷とは何?
打敷(うちしき)とは、仏壇に置く卓(しょく)に飾る布のことです。
なので、仏壇内に卓がないと飾ることができませんでした。
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しかし、最近のモダン仏壇や上置き仏壇にも卓なしで飾ることができる打敷が新登場しました。
のちほど詳しくご紹介します。
打敷を飾るようになった一説には、
昔、お釈迦様が説法するときに敷いた敷物が由来となって、今のような使い方になったという説があります。
他にも、地べたに座るお釈迦様を見るに見かねた弟子たちが、自分の服を敷いてあげたのが由来という説もあります。
ただ、なぜ今は仏像(お釈迦様)に敷かず、卓に使うようになったのかは謎のままです。
まず何から始める?打ち敷選びの3ステップ
1.)宗派で違う形(三角と四角)
2.)卓に合わせたサイズ選び
3.)お好みの柄選び
1.)宗派で違う形について【▽と□】
はじめに結論ですが、
浄土真宗では、三角形の打敷を使います。
それ以外は四角形の打敷を使います。
用途は同じなのですので、簡単に紹介します。
浄土真宗で使う【三角打敷】
入社したての頃、なんで浄土真宗だけ三角形なのか上司に聞いたことがあります。
その答えは、
「浄土真宗はお金のない人が多いから、布地をケチって四角を半分に切って三角にしたんだ」
と聞かされました。
何も知らない頃でしたが、妙に納得したのを覚えています。
他の宗派(浄土宗・日蓮宗・曹洞宗・真言宗など)は【四角打敷】
角打敷(かくうちしき)とも呼ばれています。
横長の長方形が基本の形です。
2.)卓に合わせたサイズ選び
三角形か四角形か、あなたがどちらの打敷を使えばいいか確認していただけたかと思います。
では、どのサイズを選べばいいか順番に確認していきましょう。
まず、
お宅にある卓の横幅を測ってみてください。
打敷は卓に挟んで使う仏具なので、まず卓のサイズを測ることから始めます。
大きい仏壇をお持ちで、本尊の前に小さい卓が一つ、手前に大きな卓が一つある場合は、どちらにも打敷を飾りますので両方とも幅を測ってください。
豆知識
覚える必要はないですが、三角打敷と四角打敷では寸法の単位が違います。
三角打敷は「○○代」、四角打敷は「○○寸」が基本です。
三角打敷は卓の幅より大き目を掛けるのが一般的です。
しかし、場所を取るので卓と同寸の打敷を選んでも構いません。
地域によってはそれを正式としているところもあります。
下の早見表で、卓に合うサイズの打敷を確認しましょう。
【浄土真宗用(三角打敷)のサイズ早見表】
卓の横幅(寸) | 名古屋寸 | 京寸 | 三角打敷の横幅実寸法(cm) |
5寸以下 | 5寸 | 15.2cm | |
6寸 | 20代 | 24.2cm | |
7寸又は8寸 | 30代 | 50代 | 27.3cm |
9寸 | 40代 | 70代 | 37.9cm |
尺0 | 50代 | 100代 | 42.4cm |
尺2 | 70代 | 150代(小) | 48.5cm |
尺4 | 80代 | 150代(大) | 53cm |
尺6 | 100代 | 200代 | 62.1cm |
尺8 | 150代 | 250代 | 79cm |
2尺 | 200代 | 300代 | 91cm |
実は、打敷には「名古屋寸」と「京寸」の2種類があります。
サイズの表記が変わるだけです。
参考程度に知っておけばOKです。
【浄土真宗以外(四角打敷)のサイズ早見表】
卓の横幅(寸) | 四角打敷のサイズ表記(寸) | 四角打敷の横幅実寸法(cm) |
4.5寸以下 | 5寸 | 15.2cm |
5寸 | 5寸 | 15.2cm |
6寸 | 6寸 | 18.2cm |
7寸 | 7寸 | 21.2cm |
8寸 | 8寸 | 24.2cm |
9寸 | 9寸 | 27.3cm |
尺0 | 尺0 | 31.8cm |
尺2 | 尺2 | 36.4cm |
尺4 | 尺4 | 42.4cm |
尺6 | 尺6 | 48.5cm |
尺8 | 尺8 | 54.5cm |
2尺 | 200代 | 65.1cm |
3.)あとは、好みの柄を選ぶだけ
形とサイズが決まったら、あとはお好きな柄を選ぶだけになります。
宗紋入り、夏用、冬用、手刺繍、人絹、正絹などなどの打敷があるので、ほんの少しですが紹介します。
宗紋入りの打敷
宗派にはそれぞれ【宗紋】という決まった紋があります。それを刺繍した打敷があります。
具体的には、
・浄土真宗本願寺派なら、「下り藤」と「五七の桐」
・浄土真宗大谷派なら、「抱き牡丹」と「八ツ藤」
・曹洞宗なら「五七の桐」と「久我竜胆」
・日蓮宗なら「井桁に橘」
・浄土宗なら、「抱き茗荷」と「葵紋」
・真言宗なら「五三の桐」と「巴紋」
さらに細かい宗派にもそれぞれ特有の紋があります。
ご自身の宗派はどの宗紋なのか確認しておきましょう。
宗紋入りの打敷には、夏に飾る【絽】又は【紗】、
冬に飾る【綴れ(つづれ)】、
主な行事のみに飾る【赤】の三種類があります。
(一例です)夏用 三角打敷
人絹絽(呂/ろ) 高級刺繍[宗紋:西]【前卓用+上卓用セット】
京寸100代(総幅 約42.5cm)=名古屋寸50代
他の宗紋や、サイズ違いもあります。
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(一例です)夏用 三角打敷
正絹紗 高級刺繍[宗紋:(西)]【前卓用+上卓用セット】
京寸100代(総幅 約42.5cm)=名古屋寸50代
他の宗紋や、サイズ違いもあります。
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楽天で探す
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(一例です)冬用 三角打敷
金綴 高級刺繍[宗紋:(西)]【前卓用+上卓用セット】
京寸100代(総幅 約42.5cm)=名古屋寸50代
他の宗紋や、サイズ違いもあります。
(一例です)冬用 三角打敷
人絹塩瀬 (赤) 高級刺繍[宗紋:西]【前卓用+上卓用】
京寸100代(総幅 約42.5cm)
他の宗紋や、サイズ違いもあります。
夏用の打敷
涼しげな白や水色の生地に金襴柄は入ったものです。
全体に柄が入っているものや、鳳凰が一羽刺繍されているものなど、種類が多くあります。
人絹か正絹で値段が変わります。
冬用の打敷
生地の色は、綴れ、赤、紺、白茶が多く、こちらも全体に柄が入ったものや、鳳凰などの刺繍が中心にあるタイプがあります。
柄の細かさや、人絹、正絹で値段が変わります。
モダン仏壇に飾る打敷
モダン仏壇や家具調仏壇にはそもそも卓を使っていなかったり、載せること自体ができないものが多いです。
卓がないと打敷も掛けられないのが今までの常識でした。
しかし、そんな中、上置き用の打敷が流通するようになりました。
卓を使わず、直接仏壇の棚に置けます。
仏具をのせるところにはアクリル板が貼ってあるので水染みや汚れ防止になります。
垂れの長さが通常より短くなっているので、段差が低い仏壇にも干渉することなく飾ることができます。
おしゃれな花柄やハート柄などがあり、若者にも受け入れられやすいようになっています。
サイズも、小型仏壇に入るよう小さめが多くラインナップされています。
忌中掛け
真っ白な生地に薄い模様が入っている打敷があります。
身内が亡くなった時に使用し、四十九日までこの忌中掛けを仏壇に飾っておきます。
しかし、準備してない場合が多いでしょう。その時はお持ちの打敷を裏返して使用してかまいません。
ただ、いざひっくり返してみると、黄ばんでいたり、シミがあったりします。
忌中掛けはすぐ手に入りますし、安価なものなので、一枚置いておくといざという時、安心です。
より丁寧な飾り方とされています。
実際に打敷を飾ってみましょう
初めに、打敷の上部の白い生地と金襴の生地の境目に折り目を付けておきます。
こうすると、打敷が下に垂れ下がります。
これをやらないと敷いた時、打敷が浮いた状態になりかっこ悪いです。
卓に載っている仏具をどかします。
仏壇から卓を取り出し、上の板=下須板(げすいた)の下に打敷を挟みます。
打敷の上部の白い布が隠れるように挟んでください。
気を付けて仏壇に戻し、仏具を元通りに置けば完成です。
下須板が浮いた感じになるかもしれませんが、仏具の重みでそのうち平らになります。
打敷の手入れの仕方
前述しましたが、打敷は特別な法要以外では使用しなくてもいいことになっています。
なので、そんなに汚れることはないのですが、中には、平時から掛けっぱなしの方も多く見かけます。
そうすると、スス汚れや水汚れで汚れていきます。
蝋燭の火などで焦がしてしまうこともあるかもしれません。
打敷の中には薄い型紙が入っているし、金襴の刺繍がしてあるため、洗濯機は使用不可です。
手洗いもむずかしいので、汚れが目立ってきたら買い替えをオススメします。
手刺繍などの高額な打敷の場合は仏壇店に相談するといいでしょう。
刺繍部分を取り外し、下地のみを新品に取り換えることができます。
白い裏地のみが汚れた時も、裏地だけを新品に交換できます。
迷ったらまず専門店に相談してみましょう。
まとめ
打敷は基本的に、特別な法要の時のみ飾ります。
卓に挟んで使いますが、卓を載せられないモダン仏壇や家具調仏壇にも使用できる新タイプの打敷もあります。
卓のサイズに合わせた打敷を選びましょう。
宗派によって三角形か四角形と形が異なります。
四十九日の間は白い打敷(忌中掛け)を掛けますが、普段の打敷をひっくり返して代用が可能です。