仏壇にお供えする花をプリザーブドフラワーにする方が増えています。
プリザーブドフラワーにするメリット・デメリットを含め、選び方や注意すべき点を紹介します。
今まで仏壇に生花を生けていて、こんなことはありませんか?
◎枯れた花びらが落ちて片付けが大変
◎花粉や香りに抵抗がある
◎水を替えるとき仏壇にこぼしてしまう
上記の心配を解決してくれるのがプリザーブドフラワーです。
そこで、プリザーブドフラワーについてこんな疑問が出るかと思います。
・どのくらいもつの?
・プリザーブドフラワーって高くない?
・そもそも仏花にしていいの?
こんなことを中心に詳しく解説していきます。
プリザーブドフラワーは決して高くない。コスパで考えましょう
プリザーブドフラワーとは、生花を特殊加工し、風合い、瑞々しさをそのままに長期保存した花のことです。
では本題ですが、プリザーブドフラワーと聞くと「値段が高い」イメージをされることがあります。
しかし、プリザーブドフラワーにもよりますが、大体のものが半年以上は美しい状態が続きます。
あるメーカーでは3年は生花と同じ風合いが保たれると表記しています。
このことからも、かなりコストパフォーマンスがいいことがわかります。
安くても1,000円はするでしょう。
つまり4週×1,000円で、1ヵ月4,000円かかります。
半年続けると24,000円になります。
一方、プリザーブドフラワーなら、1万円も出せば大きな花束が手に入ります。
小型仏壇用の小さいものなら5千円程度で売っています。
ただ、週一回も買わない方もいると思います。
好きな花の季節だけ買う方もいるでしょう。
こんな単純計算に当てはまらない方が多いのも承知しています。
それでも、プリザーブドフラワーは生花を買い続けるよりはお得という結論になります。
プリザーブドフラワーはどのくらいもつの?
先程も話に出ましたが、プリザーブドフラワーは半年から3年程度は同じ風合いを保つことができます。
プリザーブドフラワーのメリット・デメリット
ここで、改めてプリザーブドフラワーに換えた場合のメリット、そしてデメリットを考えていきます。
メリット
◎長期間、同じ風合い
◎水替えの必要がない
プリザーブドフラワーは生花のように水を入れる必要がありません。
なので、水替えの時、仏壇にこぼすことは絶対ありません。
生花はもちろん枯れていきます。
花びらが落ち、花粉が落ちたりします。
そのたびに仏壇周りの掃除をしていたと思いますが、プリザーブドフラワーはその必要がありません。
常に咲き続けています。
デメリット
●飾るところは屋内に限られる
●香りがしない
プリザーブドフラワーは日を浴び続けると色褪せすることがあります。
なので、なるべく日の当たらないところへ置くようにしましょう。
ただ、すでに仏壇自体が日なたを避けたところに安置してあると思うので、この問題は心配しなくてもいいかと思います。
デメリットにしましたが、加工してあるので生花のように香りがしません。
花粉もありません。
香りを楽しみたい方にとってはデメリットですが、アレルギーや花粉症の人にとってはメリットといってもいいかもしれません。
そもそも仏花にしていいの?
いきなり結論ですが、仏花として使用して構いません。
なぜこのような疑問がでるのか、そして、本当に仏花として飾って問題ないのかを解説します。
プリザーブドフラワーを仏花として飾っていいのか不安な方は、
もちろん、毎日水を替え、掃除をし、枯れたら交換することを日常的にできることはすばらしいです。
しかし、最近の生活スタイルの変化により、毎日のお勤めはおろか、お花の準備もままならない人が増えているのが実態です。
そのようなことから、造花やプリザーブドフラワーが許されるようになりました。
私見ですが、本来生花じゃないといけないのですが、プリザーブドフラワーでもいいと『許容されている』と思います。
生花を飾るのには意味があります。
供養する心をやさしく包み、本尊やご先祖様に向けるための仏花です。
生き物はいつか必ず滅するという命の儚さを表しているともいいます。
このような意味を理解して仏壇に向き合えていれば、プリザーブドフラワーでも造花でも『許される』ものだと思います。
仏花としてのプリザーブドフラワーの種類
仏壇に飾る花を仏花といいます。
仏花は、3本、5本、7本と奇数にします。
仏花用のプリザーブドフラワーならはじめから数が決まっているので、そんなに気にすることはないでしょう。
和風タイプのプリザーブドフラワー
仏花といえばこれだよね、とみんながイメージする昔からあるお供え用の花を集めたものです。
洋風タイプのプリザーブドフラワー
最近主流になりつつあるモダン仏壇は、洋間に置くことが多いです。
そこに違和感なく飾ることができるプリザーブドフラワーが増えています。
仏花のイメージではないですが、種類も多く、今後はこちらの仏花タイプがメインになるだろうと想像します。
仏花のマナーや飾り方
ここでは仏花についての基本的なマナーから、飾り方までを具体的に紹介します。
プリザーブドフラワーに限ったことではないので、生花を飾る場合にも参考にしてください。
花を選択する際のマナー
このような花は避けたほうがいいと言われています。
・棘のある花(バラ、サボテン)
・毒がある花(すずらん、シクラメン)
・つる状の花(朝顔、クレマチス)
・香りが強い花(カサブランカ、ジャスミン)
・すぐ枯れる花(ダリア、月下美人)
花の本数【基本は奇数】
大きい仏壇ですと、花立が1対用意されています。
その時は「3本ずつ」「5本ずつ」と奇数本をそれぞれの花立に生けます。
小さい仏壇などで花立が1つしかない場合でも奇数本を生けます。
ただ、奇数というのがルールですが、ご家庭ならそこまで気をつけなくてもいいかなと思います。
親族や知人のところへ持って行く時は、花屋さんと相談し、数も奇数本のほうが良いでしょう。
仏花の飾り方
仏壇に花を供える時の花の向きは供養する側、つまり私達が綺麗に見えるように飾ります。
花の美しさを見た私たちの清々しい心を仏様やご先祖様にお供えするという考え方からこのような形になったそうです。
花立に対するお花の大きさ
花立:仏花=1:2位の割合が美しいバランスとされています。
ただ、花立の形にもよるので、あくまで参考程度でいいでしょう。
【花立】は、仏壇には欠かせないものです仏具における花立(はなたて)とは、その名の通り、花をお供えする、いわゆる花瓶のことです。又は、「地花立(じばなたて)」と呼んだりしています。 生花はもちろん、造[…]
TPOに合わせたお花の選び方
ここからはTPO【時(time)、場所(place)、場合(occasion )】に合わせた花の選び方を紹介します。
通夜~告別式の時
個人的に花を用意することはしません。
贈りたい場合は会場の葬儀社に連絡してその旨を伝え相談しましょう。
葬儀社が手配してくれます。
この場合のお花は通夜、告別式の会場に並べるお花のことです。
初七日~四十九日の時
ただ、絶対というわけではないので、故人の好きだった花を知っているなら、それを飾って構いません。
白い花を贈るなら、ここは生花にしましょう。
プリザーブドフラワーにすると、何ヶ月ももつので四十九日が過ぎた後の置き場所に困ることがあります。
四十九日後は・・・
仏壇に飾る仏花になるので、前述したように生花でもプリザーブドフラワーでも造花でも、お好きなものを飾ってあげましょう。
プリザーブドフラワーでなく造花という選択肢
プリザーブドフラワーが一般的ではなかった頃は、ビニールやナイロン素材の造花を飾ることもありました。
もちろん、今でも造花を使っている方は多いです。
価格もプリザーブドフラワーより安いです。
ただ、やはり人の手で作ったものなので、よくみるとプリザーブドフラワーや生花と比べると見劣りします。
プリザーブドフラワーより日差しに強いので、お墓に飾ることもあります。
真冬のお墓に綺麗に咲いている仏花はほど造花です。
そんな光景を見たことが一度くらいはあるのではないでしょうか。
まとめ
プリザーブドフラワーを仏花として飾ることに問題はありません。
仏前に花を飾ることの本質をわきまえてさえすれば、無作法にはなりません。
コストパフォーマンスもいいので、経済的です。
毎日が忙しい現代人にとってプリザーブドフラワーは、心の余裕と安らぎをもたらしてくれるかもしれません。