供花のこと【基本編】
仏具における【供花】(くげ)とは、浄土真宗でのみ使われる仏具になります。
他の宗派は高月を使用します。
つまり、供花と高月の用途は全く同じで、仏様やご先祖様にお菓子などのお供えものを盛る台になります。
高月(たかつき)とは?【基本情報】「高槻」や「高杯」と書く場合もあります。仏様やご先祖様に、お菓子や好物だったものをお供えするときに使う道具の一つが、【高月】になります。 丸いお皿に足が1本はえた形をし[…]
なぜ浄土真宗だけ供花を使うようになったのか!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は、知りません(泣)
調べればわかるかもしれませんが、その情報はこのページにとって重要度が低いので省略させていただきます。
供花には本願寺派(お西)が使う6角形のものと、大谷派(お東)で使う8角形のものがあります。
それぞれ、「六角供花」、「八角供花」と呼んでいます。
プラスチック製の六角供花を色々な角度から撮ってみました。
画像クリックで拡大
こちらはプラスチック製の八角供花です。
高田派は六角形の供花を使いますが、正式なものは表面に細かい彫りが施されています。
その他の真宗系も、六角供花か、八角供花のどちらかを使用しています。
自分の宗派がどちらを使っているのかは、本山か近くの菩提寺にお尋ねください。
または、検索すると各本山のホームページがあります。
参照していただければと思います。
その他の宗派とは主に、「三門徒派」「興正寺派」「仏光寺派」「興正派」「木辺派」などを指します。
供花の材質と寸法について
供花にはプラスチック製と木製があります。
プラスチック製の中にも、金箔仕上げと金メッキ仕上げの2種類があります。
価格だけを見ると、プラスチック製の金メッキ仕上げが一番安価で手に入ります。
金箔と金メッキには見た目の違いはありますが、こだわりのない方でしたら金メッキ仕上げでいいかと思います。
木製品の高級なものになると、金箔の上から手書きの彩色が描かれていて、内側にも金箔(裏金と呼んでいます)が押してあります。
お寺用では「法立て紙」と言って、金紙と赤紙で作らています。
家庭用ではこのように本体と同素材で作られているものが多いです。
寸法ですが、
プラスチック製には、1.8寸~4寸までそろっています。
木製品でも2寸~4寸と、サイズは一通りそろっています。
基準の寸法は、上部のお皿の平行線間の外幅です。
高さはメーカーによってまちまちですので、確認をしておきましょう。
供花の置く場所
仏壇の上段(本尊を飾る場所)の下の段の左右に置きます。高月と同じ場所です。
あまり大きい供花にすると載らなかったり、
供花の上部が上段に当たってしまい、おさまりが悪くなってしまいます。
先に置く場所の採寸をしておきましょう。
2.5寸では一口チョコレートを3個のせるのがやっとでした。ここで結論ですが、小さい供花は使い勝手が悪いです。
供花は飾りとして使い、別に用意した供物台を使った方が便利です。
【供物台】は高月のページで詳しく解説しています。
段盛という仏具の使い道
通常、供花の上には一つのお供え物を置きますが、段盛をのせることで最大3つのお供え物を置けるようになります。
ただ、段盛を置くと背が高くなりすぎるので、モダン仏壇や上置仏壇などの小さい仏壇には利用しません。
上段の脇侍を隠してしまいますからね。
画像は一番小さい供花段盛2.5寸を使用しています。
小さすぎて一口チョコレートを1つずつのせるのがやっとでした。
それでも供花と段盛を合わせると、高さ30センチ弱にはなります。
供花段盛には、2.5寸用から4寸用までサイズがあります。
段盛の種類
実は今お話しした段盛は、正式名称【供花段盛】と言います。
供花に載せる段盛ということですね。
こちらは主に浄土真宗本願寺派(お西)で使われています。
その他にも、
【木瓜段盛】【香盤段盛】【若葉段盛】があります。
しかも、先ほどの供花段盛と同様、背が高くなるので、コンパクトな仏壇には入りません。
なので、ここでは詳しい解説は省略させていただきます。
まとめ
供花は、浄土真宗系しか使いません。
本願寺派は六角供花、大谷派は八角供花を飾ります。
プラスチック製と木製があり、最近ではプラスチック製が主流になっています。
寸法も仏壇に合わせて各寸あるので、ご自身の仏壇に置けるものを選びましょう。
最近よく見かける、モダン仏壇や家具調仏壇に、供花を付ける方が少なくなってきました。
宗派にとらわれない仏具が広く出回っていることが一つの原因かと思います。
悪いことでは決してないのですが、あえて・・・・・・・あえて言うなら、少し宗派を意識して仏具を見てもらえるとうれしいな、と思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。