骨壺はサイズによって使い方が違います

この記事は、こんな疑問をお持ちの方にオススメです。

・骨壺は誰が用意するの?

・遺骨を分ける手順を知りたい。

・骨壺にカバーは必要?

最後まで読んでいただけると以上のことが解決します。

 

すると、遺骨をどう置いておけばいいかがわかり、分骨をする時、段取りがスムーズにいくでしょう。

 

葬儀後の心配事が一つ減ることで、心穏やかに故人と向き合う時間が増えることと思います。

サイズが違う骨壺のそれぞれの使い方

骨壺のサイズ比較骨壺には、2寸~8寸までのサイズがあります。

これは口径のサイズです。

【1寸は約3センチです】仏壇や仏具の基準寸法は尺貫法を使います。

5寸~7寸の骨壺

火葬場で荼毘に付された遺骨を入れるサイズになります。

2寸~4寸の骨壺

【分骨】する時に使用する骨壺です。

 

それぞれ簡単に解説したいと思います。

5寸~7寸の骨壺は【収骨用】

大き目の骨壺は、火葬場で荼毘に付された遺骨を納めるためのものです。

一般的な骨壺の寸法

骨壺の寸法口径(cm)高さ(cm)
5寸15.518
6寸18.520.5
7寸21.725

実は、関西と関東でサイズが異なります

私の地元、愛知県は「関西の風習」です。

関西・・・主に5寸か6寸を使用

関東・・・主に7寸を使用

この理由は、【お骨上げ】のちがいによります。

 

遺骨の一部を骨壺に収めるのが関西です【部分収骨】。

逆に、遺骨の全てを骨壺に収めるのが関東です【全収骨】。

 

ただ、あくまで一般的な慣習です。

関西に住んでても全ての遺骨を持って帰りたいと希望すれば対応してもらえるでしょう。

 

では逆に、

「遺骨の持ち帰りを拒否できるのか?」

と疑問に思うかと思います。

その答えは、「できます」

 

では、その手順はどうなっているのでしょうか。

①葬儀社、又は火葬場に、引き取りしない旨の連絡します。

②引き取り拒否の申請書に記入します。

以上になります。

 

手続き自体は簡単なので困ることはないと思います。

 

手続きがが終わると、火葬された遺骨は市区町村が管理し供養されます。

産業廃棄物として捨てられるわけではないので、少し安心ですね。

2寸~4寸の骨壺は【分骨用】

一般的な骨壺の寸法

骨壺の寸法口径(cm)高さ(cm)
2寸6.17
2.5寸7.58.3
3寸9.410.5
4寸12.513.8

分骨とは、大きい骨壺から遺骨を分け、小さい骨壺に入れることです。

 

分けた遺骨は、先祖代々の墓、本山、菩提寺、自宅など様々な場所に収めて構いません。

中には、専用のペンダントなどに入れて身に着ける方もいます。

分骨すると、「魂も分かれてしまい縁起が悪い」「成仏できない」という方がいます。

それは迷信です。(断言)

 

そうは言われてもやっぱり気になるという方は、他のサイトでも調べてみてください。

ほとんどが「迷信」「根拠ない」「そんな仏教観は存在しない」

といっています。

 

お寺とお付き合いがあるのなら、直接住職に聞いてみるのが一番です。

問屋さん
そもそも、亡くなったお釈迦様の遺骨をみんなで分けたという話もあります。
りん
問題なさそうですね。

骨壺は誰が用意するの?

ご自身やその家族が用意します。

 

葬儀を葬祭場に頼まれたのなら、骨壺もセット内容に含まれている場合が多いです。

 

ただ、最近は「終活」の浸透で、自身で骨壺を用意する方が増えています

しかし、地域によっては注意していただきたいことがあります。

 

小さい分骨用の骨壺は自由に選んでいいです。

しかし、火葬場で使う5寸以上の骨壺は、火葬場によって持ち込み不可のところがあります

 

事前に直接電話で確認するか、葬祭場に聞いてみましょう。

残念ですが、この件は仏壇店に聞いても知らないことが多いです。

遺骨を分ける【分骨】の手順

分骨は火葬直後に行うか、四十九日を過ぎた後に行うことになります。

それぞれの手順を紹介します。

火葬直後に分骨をする手順

1.)葬祭場に火葬直後に分骨したい旨を伝えておきます。

2.)必要な数の骨壺を準備しておきます。

3.)当日、火葬場で「火葬証明書(分骨用)」を発行してもらいます。

 

1.)事前に分骨する予定があるなら、先に葬祭場へ連絡しておきましょう。

色々な手続きの手配をしてくれます。

直葬の場合は、ご自身で直接火葬場へ連絡します。

病院や施設などから火葬場へ直接搬送し、通夜や葬儀告別式を行わず、火葬のみを行うことです。

 

2.)骨壺はご自身で用意します。

葬祭場でも販売しているので、時間がない時はその方が便利です

ただ、気に入ったものが欲しいのなら、先にインターネットで探しておいた方がいいでしょう。

 

3.)お墓や本山や納骨堂へ納骨する場合は、火葬場で「火葬証明書(分骨用)」を発行してもらいます。

自治体にもよりますが1通=数百円程度で発行してもらえます。

これがないと納骨してもらえませんので必ずもらいましょう。

四十九日を過ぎた後に分骨する手順【手元供養用】

①必要な分骨用の骨壺を準備します。

②骨壺から遺骨を取り出しそれぞれ取り分けます。

手元供養のために分骨する場合の骨壺のサイズは2寸~4寸になります。

一般的に多いのは2寸のサイズです。

 

柄の種類も多く、遺骨は少量しか入りませんが、手元供養に置いておくにはちょうどいいサイズです。

 

とりわけ方に決まりはありません。

よく、火葬場でやる箸から箸へのお骨上げをしなくていいです。

手でも箸でも構わないので移し替えます。

 

しかし、直接手でツマんだりすると雑菌が付いてカビの原因になります。

手袋はしましょう。

骨壺の分骨用と収骨用

骨壺を開ける前に、一声「今から分骨しますね」と言うとといいかもしれません。

 

これはもう、気持ちの問題です。

りん
その気持ちが、大事ですよね。
ここで注意点があります。
これは手元に骨壺がある時の手順です。
既にお墓や納骨堂に納めてしまっている場合は、
「分骨証明書」や「閉眼供養」などの手配が必要になります。
管理している所へ連絡して、段取りをお願いしましょう。

 

お墓の遺骨を手元に置いておく場合の準備

既にお墓に納めてある遺骨を、「墓じまい」をして自分の手元に置いておきたい場合はどうしたらいいでしょう?

これは「手元供養」と言われています。

 

遺骨を自宅で保管することは違法ではないので安心してください。

ただ、手続きはしないといけません。

 

まず、【墓じまい】をするなら、専門の業者へ頼んだ方が間違いありません

ぼんやりと、「墓じまいをしないといけないな」とお考えなら、まずは相談してみましょう。

 

資料請求だけでも無料でできるので、墓じまいの知識と大まかな予算を取っておきましょう

「住職の手配」「お墓の改葬手続き」「遺骨の今後」など、しなければいけないことが多いと感じるかもしれません。
しかし、専門業者に頼めばまとめて手配してもらえます。
お墓の遺骨を手元へ置いておく場合、洗って乾燥させる作業が必要となります。
お墓の中に合った骨壺は、汚れや異物が混入したり、カビや異臭が発生したりしています。

そのまま自宅保管をすると、衛生的によくありません。

 

なので、一度遺骨を洗い、乾燥させることで無菌状態にします。

 

そこでよく聞くのが【粉骨】という作業です。

 

遺骨を粉骨すると、体積が5分の1ほど、つまり元の2割くらいになると言われています。

手元供養する場合、置き場所などに困ることも少なくなります。

 

骨の姿からパウダー状に変化することで、一般的な骨のイメージがなくなり、気持ちが楽になる方も多いようです。

 

さらにいいことに、パウダー状にしておくと、いつでも散骨の依頼ができるようになります

実は、散骨を骨の状態のまま行うと違法になります。

 

必ず【粉骨】をして、パウダー状にしておかないといけません。

 

今後のことも考えて、粉骨処理をしておくことをオススメします。

骨壺を入れるカバー【分骨袋】を選ぶ

分骨袋各色骨壺を持ち運ぶ時や、安置しておくときのカバーを用意します。

主に骨壺を桐箱に入れてその上からかぶせる「四角骨箱覆い」や、小さい骨壺用の「六角分骨袋」があります。

 

実は、骨壺をそのまま安置しても問題ありませんが、稀に湿気で遺骨にカビが生えてしまうことがあります。

できるならカバーをつけておくようにしたいものです。

 

しかし、先ほど紹介したように最近の骨壺はおしゃれで素敵なデザインが多いです。

これにカバーをして隠してしまうのは何とも残念です。

遺骨を分骨用骨壺で保存する方法(写真付き)

そこで、湿気対策として、遺骨自体をチャック付きビニール袋(ジップロックなど)の密閉できる袋に入れ、骨壺の中に除湿剤を一つ入れておけば多少の対策になります。

自分でする分骨の際の手順1

自分でする分骨の際の手順2

自分でする分骨の際の手順3

白い布なら何でもいいです。

白じゃないといけないというわけではないですが、無難な白をオススメします。

今回は自宅にあったサテン生地の物を使っています。(適当に切ったのでガタガタです)

自分でする分骨の際の手順4

自分でする分骨の際の手順5

自分でする分骨の際の手順6

先ほどのも述べましたが、遺骨を【粉骨】と言って、パウダー状にしてくれるサービスもあります。

さらに真空パックで届けてもらうこともできるので、衛生的です。

もちろん、今回紹介した遺骨の分骨作業が必要なくなります。

 

多少のお金はかかりますが、手間や、その後の管理のことを考えると、うれしいサービスかと思います。

まとめ

骨壺には、火葬後に使う大きめなものと、分骨のための小さめの骨壺があります。

 

葬儀社が用意してくれることが多いですが、ご自身で準備したものを使うこともできます。

 

ただし、火葬場によっては使えないサイズもあるので、よく確認をしておきましょう。

 

分骨する意思があるなら、火葬時にするか、四十九日後にするかで手順が違います。

 

手元供養のために分骨するときは、難しい手続きもないので家族のみで行えます。

 

お墓や納骨堂、菩提寺に分骨する場合は、証明書が必要になるので管理している所へ連絡する必要があります。

 

骨壺のカバーは、湿気対策に役立ちますが、必ずしなければいけないものでもありません。

「人が亡くなったらお墓に入るもの」という固定概念は今おおきく変わってきています。

 

・樹木葬・海洋散骨などの自然葬

・遺骨をロケットで飛ばす宇宙葬

・自宅保管する手元供養

 

このように、遺骨の行き先が多様化しています。

墓じまいをお考えの方も、その後の遺骨の行く先まで考えておいた方が安心かと思います。