過去帳は、先祖の大切な記録簿です
過去帳とは、亡くなったご先祖様の戒名、名前、亡くなった日付、年齢を書いておく本です。
ではいつ使うのか。
それは、
位牌が仏壇に入りきらなくなったり、法名軸を掛ける場所がなくなったときです。
なので、今まで仏壇もなく、初めて供養するという場合は使いません。
後々のことを考えて買っておいてもいいですが、なくしたり、古くなったりするので、必要が出たときに買い揃えましょう。
過去帳には日付が「ある」のと「ない」のがあります
過去帳を買うとき、「日付入り」と「日付なし」のどちらかを選ぶことになります。
その違いは何か?
この二つでは使い方が違いますので注意してください。
【日付入り】は日めくりカレンダーのように毎日めくっていき、その日の故人に思いを偲ばせながら供養します。
【日付なし】は最初のページから亡くなった順番に書いていきます。年表のようになっていきますので、先祖の歴史や記録として代々続いていきます。
このように、「あり」「なし」によって、若干使い方が違いますので、えらぶときは自分のスタイルに合ったほうを購入しましょう。
過去帳にも種類があります
よくお店などで見かけるのは、【金襴過去帳】と【鳥の子過去帳】です。
【金襴過去帳】は、表紙は金襴で表装してあり、本紙は白い和紙でできています。
安価に手に入るものとなります。
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【鳥の子過去帳】は同じく表紙は金襴で表装してあるのですが、本紙が「鳥の子紙」というなじみのない紙でできています。
和紙より上質で、薄いクリーム色をしています。
卵の殻に色が似ていることからこの名前になったといわれています。
和紙に比べ、筆で書いたとき、にじみが少ないとされています。
表装の色は「赤」「紺」「茶」が基本色です。
ほかには「ピンク」や「オレンジ」などなど。
柄も豊富にあり、お洒落でモダンなものも多数販売されています。
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さらに、日蓮宗専用の過去帳もあります。
高級なものになると、表紙が唐木でできたものや、漆で蒔絵を描いたものもあります。
過去帳のサイズ選びは仏壇とのバランスで決める
過去帳のサイズは、3寸から8寸が個人向けになります。縦の長さが基準です。
具体的に、
「この仏壇ならこのサイズを使いましょう!」という、決まった基準はないです。
しかし、「お好みでどうぞ」といってしまうと乱暴ですので、
私の経験で恐縮ですが、
仏壇の巾が40~60センチくらいのものなら、3寸~3.5寸。
仏壇の巾が60~100センチくらいなら、4寸~5寸。
仏壇の幅が100センチ以上は、5寸~
を、目安にしています。
あまり小さいのを選ぶと字を書くときに、書きづらく、読みにくいということになります。
ある程度のサイズはほしいですね。
見台(けんだい)のことをわすれないで
過去帳は単品で使うことはまずないです。
専用の過去帳台=見台(けんだい)と一緒に使用します。
見台のサイズも合わせて検討してみましょう。
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誰が過去帳に字を書くの?
昔は、住職にたのんで書いてもらっていたそうです。もちろん今でも書いていただけるとは思います。
ただ、「字が苦手だから業者に頼んで」という住職もいるとかいないとか・・・・あくまでうわさです。
しかし、お寺とも疎遠で、頼むところがない、という方は多いです。
そういう時は仏壇店をたずねるか、
字の達筆な知り合いに頼んで書いてもらってもいいです。
そう!
つまり、誰が書いてもいいのです。
もちろんあなたでも!!
しかし、いざ自分で書こうと筆をとり、順調に書き進めていったはいいが、
「あっ!! 字を間違えた!!!!(汗)」
なんてことになったときはどうしましょう。
そういう時はあせらずに、筆が乾くのを待ちましょう。
間違ってもこすらないように!
見た目を気にしないのであれば、バッテンをして正しい字を横に書いてもいいですが、きれいに直したいのであれば、一度仏壇店に相談してみましょう。
同質の紙を上から貼り付けて直してくれるかもしれません。
または、紙と同色の絵の具を使い、きれいに修正してくれるかもしれません。
仏壇店によってやり方はちがいます。
中には、「直せない」と言うお店も実際あります。
まとめ
いかがでしょうか。
過去帖のこと、少しわかっていただけたでしょうか?
過去帖に故人の名が増えていくことは寂しいことですが、命をつないできた歴史でもあります。
核家族、独身者が増える中、命のリレーを実感できるアイテムのひとつとして過去帖があるのではないでしょうか。