先祖代々から仏壇を受け継いでいるお家は、仏具も年季が入っていると思います。
その一つに御文(御文章とも)もあるのではないでしょうか?
御文は和紙でできた和綴じの本です。
読み続けているうちに汚れたり、水分を含んで本がぶ厚くなったりします。
表紙も虫に喰われたり、変色したり、破れたりします。
新品に買いなおすという手もありますが、せっかく受け継いできたもの、直して使えるなら直したいですよね。
そこで、【御文の表装のみ】を新しく交換することができるので紹介します。
本紙(中身)の方も綺麗に直せると勘違いされてしまいそうなので、先に言っておきますが、本紙を綺麗にすることはできません。
あくまで表紙と裏表紙のみになります。
今回依頼されたのはの大きいサイズの御文です(これより小さいサイズの御文もあります)。
表装は黒い紙になっていて、一般的な御文の種類となります。
他にも金襴表装や本金襴の表装があります。
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名古屋で直してくれる職人を知らないので、いつも取引している京都の仏教関係の本を扱うメーカーに送りました。
本紙を綺麗にすることはできませんが、表装が新品に替わるだけで、持ちやすく、本の厚みも直す前より薄く感じます。
値段を考えると新品を買った方が安いのですが、手になじんだものを使いたい方や、先祖から引き継いだものを絶やしたくないと思う方も多く、表装を直してほしいと言う方は意外に多いです。
こんなにボロボロになるまで読まれ続け、受け継がれてきたのかと思うと素直に、「すごいなー」と思います。
今更ですが【御文】の簡単な説明
蓮如は全国の門徒へ浄土真宗の教えを手紙に書いて送っていました。
その数ある手紙の中から大切なものを1冊の本にまとめたものが御文です。
大谷派(お東)では、御文(おふみ)といい、本願寺派(お西)では御文章(ごぶんしょう)といいます。
表装直しは御文だけでなく、和讃本などでも可能です。
家に直してほしい経本があれば一度近くの仏壇店に相談してみましょう。
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御文の本を入れる箱についてはこちらで詳しく解説しています。
御文箱(御文章箱)とは、その名のとおり御文(おふみ)を入れておく箱です。浄土真宗本願寺派(お西)では「御文章箱(ごぶんしょうばこ)」と呼びます。浄土真宗大谷派(お東)では呼び方が変わり、「御文箱(おふみばこ)」といいます。表[…]