施餓鬼桶の特注品を作りました

通常の施餓鬼桶(せがきおけ)は直径6寸から8寸(約18~24cm)の縦長の桶ですが、今回作ったのは直径1.2尺(約36cm)あり、寿司桶のような背の低い円柱形をしたものでした。

材料は桧(ひのき)です。施餓鬼桶正面

施餓鬼とは

餓鬼道で苦しむ衆生に食事を施して供養することで、またそのような法会を指す。
特定の先祖への供養ではなく、広く一切の諸精霊に対して修される。
施餓鬼は特定の月日に行う行事ではなく、僧院では毎日修されることもある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

昔から使っていたものを新しくしたいというので、同じ形のものを1個作製しました。

古い施餓鬼桶

施餓鬼桶にも色々な形があるのだと勉強になりました

 

ちなみに、こちらが通常の施餓鬼桶と言われる形です↓。

納期は十分にあったのですが、何ともあわただしい仕事になってしまいました。

問屋さん
もう、経験したくありません。

 

職人に頼んでおいた日の前日に「明日、取りに伺います」と連絡したところ、「まだできていない」という返事。

私(え~~。うそでしょ!!)

私「いつできますか?」

職人「まだ何もしてない。忘れてた。1週間ちょうだい。」

私(そんなの聞いてないよ~。)

すぐにお客さんに事情を話し了解をいただいたので一安心。
問屋さん
助かりました。

 

そして1週間後、電話してみると「あと3日ちょうだい。」と。

 

さすがにイラっとしてしまいました。

タダ文句を言ってもできるわけはないので、3日間待ちました。

問屋さん
納期に余裕があってホント良かった。

 

 

3日後、朝一で受け取って、商品を確認していると問題発見!!

・・・・見たくなかったです。

今日出荷するつもりだったのに~。

 

中心の穴に預かっていた棒を立てて使うのですが、穴に棒が入らない!

どうやっても5ミリ程度しか入っていきませんでした。

施餓鬼桶下須板上面

これでは棒が立つどころか、すぐに倒れてしまいます。

急いで電動ドリルで穴の拡張作業に入りました。

しかし、私の会社の電動ドリルでは直径が合わなくてうまく削れません。

 

結局、彫刻刀でガリガリ削って加工しました。

施餓鬼桶下須板裏

お盆の前に収まって一安心ですが、何ともドキドキした仕事になってしまいました。

施餓鬼桶棒縦

職人の中には納期にルーズな人もいると、実感した出来事でした。

 

問屋さん
ほとんどの職人は、仕事も納期もキチンとしてますよ。
りん
フォロー必死ですね。
仏具問屋はこのように、別注品も依頼を受けます。
みなさんも「ネットで調べたけど同じものがない」とあきらめず、一度仏壇店へ相談してはいかがでしょうか?