こんにちは。
「おりん」をお探しですか?
あなたが「おりん」を買う機会はそうないと思います。
きっと一生に1度か2度の買い物です。
なので、
●おりんの他に必要なものはあるの?
●宗派による違いはあるのか?
●ついでに正しい使い方も知っておきたい
●実は今あるおりんをまだ使いたいので、きれいにする方法を知りたい
など、数多くの「?」が浮かんでいると思います。
それぞれの疑問を丁寧に、簡潔にお話していこうと思います。
おりんの基本的な選び方
おりんを探しているほとんどの方が、仏壇に合うものを希望していると思います。
そこで、一番初めに考えてもらいたいのが、おりんのサイズです。
幅30cmもない仏壇の中に、直径15cmのおりんを入れるわけにはいきませんからね(笑)
まずは置く場所を決めます。
おりんは日頃から使う仏具ですので、使い勝手がいいように手前に置くのが基本です。
向かって右側に置きますが、左のほうが便利だと感じるのなら左側でも構いません。
小さな仏壇(上置仏壇)には「膳引(ぜんびき)」という引き出せる棚がついているので、その上に置きます。
大きめの仏壇で3段あるのなら、一番下の段に置きます。
もし、経机をお持ちならその上で構いません。
おりんの大きさの目安
先ほども少しいいましたが、仏壇に対しておりんが大きすぎたり、小さすぎたりするとアンバランスです。
自身の好みで選んでもらっていいのですが、基本を踏まえたうえで選ぶことをオススメします。
「仏壇の大きさ」に対する、「おりんの大きさ」の目安を表にしてみました。
仏壇の幅 | おりんの大きさ |
30cm~40cm | 2寸以下 |
40cm~50cm | 2寸~3寸 |
50cm~60cm | 3寸~3.5寸 |
60cm~100cm | 3.5寸~4寸 |
100cm~ | 4寸~ |
でも大きさのバランスは仏壇店によっても意見がバラバラです。
イメージしやすいように、同じ大きさのものを置いてみましょう。
音色を聞いて決めたい場合はどうするか
おりんの音は大きさや、形、厚みによって音の違いが生まれます。さらに叩くものや、叩き方でも音が変わります。
しかし、音色の好みには個人差がありますので、実際に仏壇店に行き、自分にとって心地よい音色のおりんを買いましょう。
この便利なインターネット時代には、色々なおりんの音を聞かせてくれるサイトがあります。
もちろん大きさや環境によって音色は変わりますが、選ぶ際の材料の一つにはなるでしょう。
仏壇に似合うおりんを選びたい
現在では、昔ながらのおりんの形から、モダンな仏壇に合うもの、上置仏壇用の小さいサイズまで様々なおりんが販売されています。
こうしてみると、昔からのおりんの形はほぼ一緒なのが分かると思います。
それに比べ、最近ではモダン仏壇に合わせて、オシャレなおりんが作られています。
「たまゆらりん」「チェリン(Cherin)」「高台りん」などなど、
こちらは現在も種類が増えつづけています。
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小さな仏壇が多くなったので、それに合わせたサイズになっています。
おりんは、「お錀」「お鈴」などと漢字をあてます。
メーカーによる表記の違いだけですので、どちらも正しい漢字です。
ここでは「おりん」に統一しております。
おりんの鳴らし方
力いっぱい振りぬくとおりんが飛んでいってしまいますからね(笑)
また、腹の部分を叩くと、割れて音が出なくなる場合があります。
たまに、鳴らす回数を気にされる方がいます。
確かにそれが正しいのかもしれません。
ただ、個人的には仏壇の前に座った時、
「お参りさせてもらいます」「お供え物です」のあいさつとして、1~3回程度鳴らすのはアリだと思っています。
りん棒の種類や長さ
おりんを叩くための仏具がりん棒です。
皮巻金バイ(かわまききんばい)や黒檀りん棒が広く使われています。
●皮巻金バイ・・・・朱や黒で塗った木の棒に動物(主に鹿)の皮を巻いてできたもの
●黒檀りん棒・・・黒檀で作った棒をそのまま使ったり、金襴の布を巻いて使う
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他にも樫材や、紫丹、金属製などがあります。
モダンなおりんには、棒ですらないりん棒が付属していたりします。
長さの目安として、おりんが3寸以下なら4寸のりん棒、
おりんが4寸なら5寸のりん棒と、おりんより1寸大きいものを選ぶとバランスがいいです。
りん棒の材質によって叩いた時の音の違いが出ます。
金属のりん棒で叩けば、より高い音。
皮が巻いてある皮巻金バイでは、やわらかい音がでます。
しかし、はっきりと違いが分かるほど音色が変わるかというと、そうでもないので、気にしなくていいと思います。
りん棒台の種類や大きさの選び方
その名の通り、りん棒を置いておく台です。
なくても問題ない仏具ですが、りん棒がコロコロ転がってしまうのを防げます。
りん棒のサイズに合わせて大きさも決めましょう。
仏壇店に行けば何寸のりん棒にはこの大きさのりん棒台がいいですよ、と教えてくれます。
ネットで買う場合でも、「何寸用」と明記してあります。
高いものではないので、一つ買っておくと便利です。
りん布団について
一番お値打ちな「都布団」ならどこの仏壇店でも手に入れることができるはずです。
大きさの目安ですが、おりんと同じ直径のものか、おりんの一回り大きめを使うと安定感があって使いやすいです。
りん台の大きさと宗派による形の違い
宗派によるりん台の違い
りん布団の章でも少し話しましたが、浄土真宗大谷派(お東)では、四角りん台を使用します。
その上に金襴輪(きんらんわ)という、ビニール素材のチューブの輪っかに金襴の布を巻いたものを載せます。
地域によっては雲輪りん台を載せます。
浄土真宗本願寺派(お西)では、6角形のりん台を使い、その上に布団をのせます。
六角りん台には、兼印(かねじるし)りん台、手摺(てすり)付きりん台などの高級仏具もあります。
表にしてみました。
なぜはっきり言えないかというと、仏壇店によってつける「りん台」が違うからです。
きちんと正式なものを付けるお店もあれば、略式の仏具を付けることもあり、また予算や仏壇の大きさによってもまちまちなのです。
りん台の大きさはおりんの直径と同寸で構いません
四角りん台の寸法を決めたら、どのおりんや金襴輪を使えばいいかを表にしてみました。
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※平らな部分がメーカーによって違います。金襴輪や雲輪りん台が大きくてきちんとのらない可能性もあります。念のため購入店へ確認しましょう。
こちらは、丸りん台の寸法に合わせた、おりんと丸布団の対比表です。
お選びになった仏壇に合わせて決めることも大事になってきています。
おりんのお手入れ方法
おりんは落としたりして割れない限り長い間使える仏具です。
金属製ですので、自然に錆びたり、汚れが付くのは仕方がないことです。
そんな時のお手入れの方法です。
研磨剤(真鍮磨き)を使う
仏壇店やホームセンターに売っている、一般的な金属の研磨剤で磨きます。
使い方は、少量を布にしみこませ、こするだけです。
いきなり力いっぱいこすると傷つく恐れがありますので、初めはやさしく様子を見ながら作業しましょう。
クリームタイプや、液状タイプがあります。
効果はどちらも同じようなものなので、お好みで選びましょう。
調べたわけではありませんが、液状タイプのほうが粒子が細かい気がします。
しかし、商品によって違いもあるでしょうから、説明書をよく読んでからお使いください。
お酢を使った方法
お酢を使ったお手入れ方法もあるようですが、私は試したことがなく、専門外なので、
ここではおすすめしておりません。
まとめ
●おりんを選ぶときは仏壇のサイズや、置き場所を確認しておく
●安いから悪い音しかでないわけではない。あくまで個人の好みの問題
●鳴らし方に決まりはないが節度を持って。故人や仏様を敬う気持ちが大事
●りん台は宗派によって違いがある
●りん台はおりんと同寸のものでよい
●りん棒はおりんの1寸長めがベストサイズ
●りん棒台があると便利
●りん布団は音を響かせる役割をしている。
●おりんのお手入れをするときは研磨剤を使うと便利
おりんは昔からある仏具の一つです。大事に使えば孫の代まで使えます。
変な妥協はせずに、お気に入りの音色を見つけてください。