神棚とは、神社でいただいたお札(お神札)をお祀りする社です。
神様に日々感謝の気持ちを表すため、神社から頂いたお札を家の中で祀るため、柱に貼ったり、専用の棚を作ってそこに祀っていました。
それが形を変え、今の神棚の形になっています。
最後まで読んでいただくと、こんなことがわかります。
○神棚を飾る最適な場所➡➡東向きか南向き(あくまで理想)
○神棚の種類➡➡基本の3種類を紹介します
○神具の飾り方➡➡写真を見れば一目瞭然
○神棚に合わせた神具の選び方➡➡サイズ表あり
○住居環境で決める神棚のサイズ➡➡マンションなら一社でOK。壁掛けもアリ
※神棚は本来「祀(まつ)る」ものですが、今回はより馴染みのある「飾る」で統一させていただきます。
神棚を飾る方角や位置に決まりはある?
神棚というくらいですから、床に置くことはやめましょう。
立ったときの目線より高い位置に飾るようにします。
その時、できれば南向きか東向きにするといいでしょう。
太陽を受ける方角になるので、この向きが理想とされています。
配置的に難しいようなら、無理をしなくてもいいです。
また、ドアの上はやめたほうがいいです。
人が出入りするので、落ち着いてお参りできません。
振動もありますし。
また、意外に知られていませんが、仏壇と向かい合わせに飾るのも避けたほうがいいです。
どちらかをお参りするとき、もう一方にお尻を向けることになるからです。
飾る位置が決まったら天井から釣ったり、鴨居を利用するなどして棚を作ります。
神棚のサイズに合わせた専用の棚が売っているので、サイズを確認しておきましょう。
特別な工具がなくても取り付けできるのでオススメです。
画像クリックで商品サイトへ
そしてもう一つ、便利アイテムを紹介させてください。
上階がある場合は、「雲」という字のシールや木製品を神棚の上に貼ります。
これは、神様の上には何もない、神様が一番高い所にあるという意味を表しています。
昨今の住宅事情で2階建て3階建てが増える中の苦肉の策といったところでしょうか。
画像クリックで商品サイトへ
神棚の材質
中でも、木曽ヒノキを使った神棚をオススメします。
仏壇店や神具店で扱うものの多くが、木曽ヒノキを主要材にしたものになります。
木曽ヒノキとは、「色」「ツヤ」「香り」が日本の中でも最高級のものを言います。
木曽ヒノキは天然木を指しますが、江戸時代から尾張藩が御用材として管理していて、平均300年を超えるものを天然木として扱うようになりました。
なので、現在の木曽ヒノキはほぼ植林されたものです。
ホームセンターなどで売っている安価な神棚もヒノキ材としてありますが、ほとんどが外国製になり、「木曽ヒノキ」ではありません。
神棚の種類
神棚には扉が一つの「一社」、3つある「三社」、5つある「五社」などがあります。
一般家庭に飾るなら【一社】か【三社】でいいでしょう。
そして、形には大きく分けて3つあります。
伊勢神宮や出雲大社がこの造りになります。
一方、『流れ造』は屋根が反り返っています。
神明造の発展系とされています。
『箱宮』とは字のごとく、はじめから箱に入った社です。
神具の紹介
神棚に必要な順に神具を紹介します。
必要度◎・・・神棚を買ったら必要不可欠な神具
必要度○・・・あったほうがいい神具
必要度△・・・置き場所に余裕があれば飾ってみたい神具
水玉(必要度◎)
水を入れるものです。中央に1つ置きます。
白皿(必要度◎)
2枚使います。
1枚には塩、もう1枚には白米をそれぞれ盛ります。
毎日お供えするのがいいでしょう。
塩を盛るための道具【盛塩器】というものもあります。
平子(必要度◎)
お酒(お神酒)を入れます。日本酒にしましょう。
1対で使用します。
漏斗(じょうご)を使うと入れやすいですが、私は平子にお酒を入れず、小さいコップに入れてお供えしています。
榊立て(必要度◎)
常用樹の榊(さかき)を挿して飾ります。
榊はお正月近くになるとスーパーやホームセンターで一束いくらで売っています。
夏場はすぐに水がなくなるので、枯れないよう注意が必要です。
造花もあるので、日常使いには造花が便利です。
神鏡(必要度○)
中央の扉の前に置きます。
木製の台と丸い鏡(クロームメッキやニッケルメッキ)の組み合わせです。
鏡は変わりませんが、台は様々な形があります。
一番手に入りやすい、並彫か上彫がオススメです。
三宝(必要度○)
水玉、白皿、平子をのせる白木の台です。
この三宝以外にも、「豆八足台」、「長膳(長三宝)」を使っても構いません。
三宝を使わずに直置きする方も多いです。(私です)
通常の三宝は背が高いので、一般的な神棚なら「遠山(とおやま)三宝」をオススメします。
遠山三宝は背が低いので、神棚前に置いた時のバランスが良いです。
材質はヒノキが多いですが、より安い外材(スプルス材)を使っても見た目はそう変わりません。
春日燈籠(必要度△)
春日灯篭(黒屋根)(一対) 高さ18cm
画像クリックで商品サイトへ
神棚の脇に置いて明かりをつけて飾ります。
コンセントが必要なものが主流ですが、最近では電池式のものもあり、使い勝手が良くなっています。
パチパチと柏手を打つと電気が付く優れものもあります。
パチッパチッ 灯籠 「柏手 を 打つと 点灯 」
画像クリックで商品サイトへ
かがり火(必要度△)
正式にはローソクを立てて火を灯すのですが、危ないので今は形式的なものになっています。
真榊(必要度△)
1対で飾ります。
向かって右側に「玉」と「鏡」。
左側には「剣」がついています。
台には丸型や三本足のものがあります。
画像は「丸台」。
雲(必要度△)
神棚(神様)の上には天空しか存在しないと考えます。
なので、上で誰かが歩いていたり生活しているとマズいです。
そんな時に「雲」という字が書かれたシールや木製品を神棚の上に貼ります。
先人の知恵です。
神具の飾り方
こちらが基本形です。
小さい神棚(一社)ならこれだけで十分かと思います。(我が家はこれだけです)
実は、【神具セット】として、一式で販売されています。
陶器だけのものもあれば、神鏡や真榊までのセットまであります。
サイズも合わせてあり、便利でお値打ちです。
大きめの一社や三社の飾り方
基本のものに神鏡、真榊、を加えました。
この飾り方をしている方が多いかもしれません。
あとはお好みで「かがり火」をつけたり、「春日燈籠」を合わせてください。
フルバージョンがこちら↓
神棚の大きさに合わせた神具の選び方
いきなり結論から言いますが、
『決まりはありません。』
自分がシックリくると思うサイズで構いません。
ただ、それでは申し訳ないので、私が普段オススメしているサイズの一例を紹介します。
小サイズで対応可能な主な神棚
「中神明」「大神明」「袖付」「中天理」「大天理」など。
中サイズで対応可能な主な神棚
「屋根違い三社 小または中」「通し屋根三社 小または中」「神明三社 小または中」など。
小サイズ | 中サイズ | |
白皿 | 2寸 | 2.5寸 |
水玉 | 1.5寸 | 1.8寸 |
平子 | 2.5寸 | 3寸 |
榊立て | 3.5寸 | 4寸 |
八足台(三宝) | 8寸(6寸) | 9寸(7寸) |
かがり火 | 2.5寸 | 3寸 |
神鏡 | 1.5寸 | 2寸 |
真榊 | 丸台 豆 | 丸台 小 |
春日灯篭 | 5寸 | 6寸 |
※箱宮はサイズ、種類によって神具が入らないことがあるのでここでは控えたいと思います。
お札を飾る順番
三社の場合、中央を最上位とし、次は向かって右になります。
なので、中央は伊勢神宮のお札、向かって右に氏神様のお札、左にその他の信仰する神社のお札を納めます。
一社の時は、位の高い順に手前に重ねて納めます。
重ねて入らない時は、社の横に丁寧に飾っておきましょう。
ちなみに私は、氏神様の御札のみを飾っています。
お詣りの仕方
神棚も神社と同じなので、「二礼二拍手一礼」でOKです。
朝、顔を洗ってからしっかり手を合わせましょう。
私は大掃除前と新年の挨拶しかしていない不届き者です。
【住居環境別】神棚のオススメは?
地域にもよりますが、新築を建てたり、建て替えをした時に神棚も新調する方が多いです。
【三社】がオススメなのはこんな方
戸建てや自営業の方には【三社】をオススメします。
サイズも色々あり、価格帯も広いです。最近の分譲住宅では和室がなかったり、あっても狭かったりします。でも、必ず和室に飾らなければいけないわけではありません。
リビングに飾ってみてはいかがですか?
自営業の方は、「熊手」と一緒に飾っているのではないでしょうか。
商売繁盛を祈念して、毎日手を合わせている方も多いです。
屋根違い三社(中)
画像クリックで商品サイトへ
これは国産檜製ですが、欅製や唐戸タイプのものなど、種類も豊富で大きさも選ぶことができます。
※このサイズなら神具は中サイズが最適です。
通し屋根三社(小)
画像クリックで商品サイトへ
※このサイズなら神具は中サイズが最適です。
【一社】がオススメなのはこんな方
アパート、マンションの方には【一社】がいいと思います。
天井が低いことが多いアパート・マンションでは、あんまり大きいサイズはアンバランスです。
また、一人暮らしや夫婦のみの世帯なら、初めての神棚は小さい一社にして、家族が増えていったら大きいものに買い替えていくのも一つの方法です。
きっと引っ越しの機会も多いと思うので、小さい方が何かと便利という側面もあります。
中神明
画像クリックで商品サイトへ
袖付 神具7点セット
画像クリックで商品サイトへ
実際、我が家(マンション)には一社が飾ってあります。
幅が広くないので、狭い部屋でも圧迫感なく飾れます。
最近は「壁掛けタイプ」もあるので、そちらも合わせて検討されるといいかもです。
ちょっとしたこぼれ話
今では専門店に行かなくてもホームセンターやショッピングモールへ行けば、神棚が買える時代になりました。
しかも専門店より安く手に入ります。
しかし、安いのには理由があります。
実は原材料が違います。
ヒノキ材と表記してありますが、外国産だったり木目の悪い所を使っていたり、板が薄かったりします。
一方、専門店で取り扱うものの多くは、尾州ヒノキ(木曽ヒノキ)という、国産のヒノキ材を使用しています。
誤解しないでいただきたいのですが、
安いのが悪いと言っているのではありません。
選択肢が多いのはいいことだと思います。
ただ、【家庭に神棚がない】ということは避けたいと思う今日この頃です。
最近ではこんな神棚まであります
簡易型壁掛宮
画像クリックで商品サイトへ
その名の通り、簡単に壁に掛けて飾るものです。
ただ、これだと手前に神具が置けませんね。
足台を付けておけるようにできるみたいですが、それなら初めから普通の一社でいいかと思います。
F(エフ)小
画像クリックで商品サイトへ
どの部屋にも調和するデザインと謳っています。
とてもシンプルです。
本棚や箪笥の上に置いてもGOODですね。
一社タイプと三社タイプがあります。
モダン神棚壁掛けタイプNeoミニ
画像クリックで商品サイトへ
こちらも壁掛けタイプです。
よりスタイリッシュになっています。
たてまつり
画像クリックで商品サイトへ
頂いたお札を立て掛けるだけのものです。
価格も安くなっています。
お札にホコリがかかるのが気になる方は、やめたほうがいいですね。
まとめ
神棚には、いろいろなサイズや種類があります。
お家に合わせて選びましょう。
どこで買ってもいいと思いますが、安いものにはそれなりの理由があります。
納得の上、買いましょう。
専用の棚を用意すれば、楽に設置できます。
それが億劫なら壁掛けタイプがオススメです。
お札は神社でいただきます。
神棚に入る寸法を選びたいですが、大きいものしかなく、入らない場合は神棚の横に置いて飾って構いません。
神具のサイズにも気をつけておくといいでしょう。
ごちゃごちゃ言ってしまいましたが、神様を敬う気持ちがあれば、細かい形にこだわる必要はないと思います。